不滅の恋 ベートーヴェン

交響曲第6番「田園」。
ディズニーアニメ「ファンタジア」から流れるその叙情的な旋律の虜になったのは、私が4歳の頃。この映画との出会いは、それから数年後のことでした。

ピアノに耳を当て、確かめるように弾くピアノ・ソナタ「月光」、静かに心揺さぶるピアノ協奏曲「皇帝」第2楽章、情熱ほとばしる「第九」、ベートーヴェンの苦悩と歓喜に満ちた人生が、それらの数々の名曲とともに語られていきます。
音楽家として類稀なる才能に恵まれたベートーヴェン。
誰よりも完璧な自分でありたいはずの彼にとって、音楽家として聴覚を失うというその絶望と苦しみはどれほどのものだったでしょうか。彼は「英雄」を書き上げることにすべてを捧げることで、その絶望から逃れ辛うじて死を免れていたのかもしれません。
私たちと同じように一人の弱い人間として、孤独に泣き、英雄と信じたナポレオンに失望し、それでも自然の美しさに息をのみ、必死に「今」を生きようとしていたのでしょう。
だからこそ200年の時を経てなお、多くの人を魅了して止まないのですね。

美しく情熱的な言葉で綴られた恋人への最後の手紙。
ロマンスの相手は知る由もないけれど、想像を掻き立てる。生身の彼に触れ、地の底から湧き立つようなあの音楽を眼の当たりにすれば、誰であろうときっと愛さずにはいられない。
幼い私でさえ虜になったのですから。

不滅の恋人への手紙—
私の楽譜、財産のすべてを、我が天使、我がすべてである不滅の恋人に捧げる。
私の天使、私のすべて、私の分身。今日は少しだけ書こう。あなたの鉛筆で。明日にならねば、宿に着けない。何という時間の浪費だろう。
なぜ悲しいのだろう。結ばれていたなら、苦しまないで済むのに。
私がいるところにあなたもいる。もし共に暮らせたら、きっと楽しい生活だろう。
ベッドに横たわり、思うのはあなたのこと。我が不滅の恋人よ。時に喜び、時に悲しみ、我々を待つ運命について考える。あなたと共に暮らせるか、
別れるのか。そのどちらか。
私はもう寝ます。愛する人よ、安心して。昨日も今日も、涙と共にあなたを想う。あなたは私の生きる命。私のすべて。さようなら。

映画『不滅の恋 ベートーヴェン』予告
ファイル・ロケーション: 映画

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