海街diary

少女のころ。
いろんなことがあって、息苦しい、笑えない、そんな時期がありました。
鎌倉に引っ越したのは、ちょうどそんな時期。
潮の香り、ホタルの棲む小川、小町通りのお煎餅屋さん、クレープを頬張る観光客、横取りしようとするトンビたち、ヒグラシの声、夕凪。肌に感じ、耳を澄ませているうちに、体がスーッと軽くなってきて、やっと深呼吸できました。

この映画はそんな鎌倉が舞台です。
父親の死をきっかけに、父に捨てられた姉妹と腹違いの妹が、家族として心を通わせていく物語です。
誰が良いとか悪いとか、先入観やありきたりの価値観で周りを判断しがちな世の中。けれど是枝さんは、優しく一人ひとりに寄り添った視点で、彼女達が絆を紡いでいく様子を描きます。
父へのわだかまりを抱えながらも、すずを通して父親を近くに感じはじめる姉たち。
そんな姉や周りの人たちの心の機微に触れ、次第に心を開いてゆくすずちゃんの姿が、少しだけ昔の自分に重なって、熱いものがこみ上げてきます。

今年も暑い夏です。
風、空の色、波の音、夕立の匂い、
あの街の今を思いながら、四姉妹の幸せを想います。

ファイル・ロケーション: 映画

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